JA全農山形は11月11日、酒田市の当JA酒田園芸センターと鶴岡市の鶴岡青果物流通センターで樹上脱渋柿「柿しぐれ」の出荷目ぞろえ会を開催しました。大きさや色合いなどの出荷規格や箱詰めへの注意点などを確認し、11月中旬から始まる出荷に備えました。庄内柿に新たな付加価値をつけようと約10年前から栽培が始まった「柿しぐれ」。今年度、当JAでは庄内柿部会の生産者18人が栽培しており、東北や関東地方の市場を中心に約4トン(1万800個)の出荷を見込んでいます。
「柿しぐれ」を作る樹上脱渋とは、収穫後に脱渋するのではなく、樹になっている青柿の状態で固形アルコールを入れたポリ袋を果実にかぶせ、樹上で渋抜きする方法。こうすることで果肉には独特の黒い斑点状の「ゴマ」が入り、さくさくとした食感が味わえることや、収穫後すぐに食べられるうえに日持ちが良くなるなど、多くの特長が生まれます。また、出荷規格は糖度が14度以上、大きさがL以上と通常の庄内柿よりも厳しくなっているほか、「柿しぐれ」になる柿も特に形が美しく、着色が良好なものを生産者が選別して袋がけをしています。
酒田園芸センターで行われた出荷目ぞろえ会には、当JA庄内柿部会の生産者やJA関係者など約20人が参加。JA全農山形の担当者は「今年は庄内柿の糖度が高く、品質や食味で期待が持てる。一部で『くぼみ果』も見られるが、生産者の厳しい目で選果や選別を徹底して混入を防ぐように」と注意を促しました。酒田農業技術普及課の担当者は「気象変化が激しく、収穫適期の見極めに苦労している生産者もいるが、樹の落葉が進んでいるので早めに収穫を。降雨時に収穫したものは必ずビニール袋を取って保管し、表面に傷やしみをつけないように」とアドバイスをしました。
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